一日一善

いつものように駅で切符を買っていると
日雇い人夫が声をかけてきた
お金が足りないので10円貸してくれと
泥に汚れた手を差し出した
いつもの俺ならぶっ飛ばす所だが
今日は何気なく貸してあげた

するとどうだ
一日一善
体の中を温かい風が吹きぬけ
一日一善
スキップをして改札を抜けた